adidasの年代の見分け方

adidasの年代の見分け方

こんにちは。

STORAGEの中畑です。

本日の記事も年代の見分け方です。

もうお気づきの方もいらっしゃると思うのですが、古着の年代の見分け方は基本「タグ」です。

このタグはフェイク品を見極めるポイントにもなりますので、よくインスタのDMなどでご質問頂くブランド品の偽物の見分け方なども、一例を交えていつの日か特集を組んでご紹介したいと思います。

adidasの歴史

前回のNIKEの時と同様、少しだけウンチクを差し込んでから本題へ。

ドイツ生まれのadidasの歴史はかなり長く、なんと1948年にまでさかのぼります。

知る人ぞ知る、少し面白いお話を。

adidasの前身となるのは1920年、ダスラー兄弟が「ダスラー商会」という会社を設立し、主に靴を製造するところから事業がスタートしました。

やがて兄のルドルフと弟のアドルフの間で経営意見が対立し、兄のルドルフは同社を退社。

弟アドルフの愛称"アディ"とダスラーの"ダス"を組み合わせ、1948年にダスラー商会は"アディダス"と社名を変更しました。

そして驚くべきは、兄のルドルフが同年にダスラー商会を退任後、RUDA社という会社をアディダスの対岸に設立。

この会社が翌年に社名を変更するのですが、このRUDA社こそ、後のPUMAなんです。
※アディダスはドイツニュルンベルク近郊のヘルツォーゲンアウラッハという地域にて創立されたのですが、この地域には大きな川が流れており、そちらの対岸、つまり川を一つ挟んだ距離にプーマを設立しました。

両者(社)は競争に発展し、まさに現在も様々な素晴らしい商品が開発され続けているというわけです。

たまにお客様がアディダスとプーマの90年代ナイロンジャケットをどちらかで迷われている方に、僕は「王道ならアディダス」、「個性派ならプーマ」、などとお薦めをするのですが、結局はどちらも素敵な理由としては兄弟で競い合った末にどこか似たセンスだったからなのかも知れません。
※90年代の両社のナイロンジャケットなんて、どちらも引けを取らないほどカッコいいです。

現在のadidas

NIKEと同様、やはり靴から始まったルーツがブランドの根幹で、名作スタンスミスやスーパースターなどが誕生し、2015年には最早adidasの看板商品ともなった、カニエ・ウェストが手掛けるYeezyが誕生。

一方、アパレルも2001年にadidas Originalsという新レーベルをスタートし、通常レーベルのadidasとは差別化を果たし、NIKEのマーケティングに倣い、積極的に世界のクリエイターやデザイナーとコラボをしています。

現在adidasは、NIKEに次いだ世界ランク2位のスポーツウェアメーカーとなっています。

さてここからが本題ですが、adidasは前述したように歴史が長く、アパレルも60'sから作られています。

僕もよくナイキ派かアディダス派かと聞かれるのですが、本当にどちらでもなく、本当に両方ともめちゃくちゃにカッコいいブランドなので、これからそのもう片方の歴史を紹介します。

これを読んでadidasの魅力を伝わっていただけたなら幸いです。

 

60年代

こちらは弊店のオープン最初期に置いていたアディダス最初期アパレル。

基本はポリエステル素材のジャケットになります。

今思うととんでもない商品があったもんだなと思うのですが、こちらは常連のお客様にお買い上げ頂きました。

▼MADE IN WEST GERMANY(西ドイツ製)

60年代は西ドイツ製、オーストリア製がほとんどなのが特徴です。

また、タグにはトレフォイル(葉っぱ3枚のadidasマークです)がありません。

レジストリマーク(商標登録マーク)もこの時は未だなく、この年代は僕自身も過去にこの1枚のみしか出会っていません。
※このタグでレジストリマークが付いているのは70年〜80年くらいです。

70年代

こちらは私物から。

この時代のタグの見分け方はトレフォイルマークに注目です。

ちょっとわかりづらいかも知れないのですが、トレフォイルマークが3枚バラバラに別れているのがわかりますでしょうか?

こちらが70年代の特徴です。

また、「PRODUCTION VENTEX」にも注目。

こちらはフランスのベンテックス社という会社にて作られていたものになります。

60年代中期に同社をadidasが買収し、70年代に作られた製品はほぼこちらの「PRODUCTION VENTEX」タグとなっております。
※フランス製のadidasというだけでも、今となってはなんだか高級感がある気がしますね。

 

70年代〜80年代

こちらは通称"デサントタグ"と呼ばれるものです。

adidasは70年に日本のデサントとライセンス契約を結び、その当時展開していたアパレルに使用されていたものがこのデサントタグになります。

70年代〜80年代は、adidasがグローバル展開を積極的に行うことから年代タグには諸説あるのですが、特徴としてはトレフォイルが70年代と比べて下部分がくっついているのがお分かりでしょうか。

この年代ではMADE IN USAもよく出回るのですが、アメリカに工場が出来たのもこの年代だからです。

その理由から、USAものはほぼ80年代だと思って良いと思います。

▼弊店のデサントタグのホワイトジャージ ※SOLD OUT

80年代

▼通称"万国旗"

▼白タグ

▼黒タグ

80年代のadidasは数々のタグがあるのですが、通称"白タグ"、"黒タグ"、"万国旗タグ"など、様々なタグがあるのですがどれも80年代タグです。

この年代タグのadidasは、NIKEの90年代同様にかなり質やクオリティが高くなっています。

またデザイン製も秀逸で、現在ストリートファッションで流行のジャージなどは全てこの年代のディテールが基本となっているくらいです。

adidasはあくまで僕的にですが、90年代よりもこの年代の方がカッコいいものが多い気がします。

ちなみに70年代もめちゃくちゃカッコいいのですが、僕が上記で着ている赤いナイロンジャケットは、昔の技術さながらなのか、全く通気性などが考えられていなくまるでサウナスーツの様で、素肌の上には決して着れるような代物ではありません。笑

90年代

90年代になると、これまでの3枚葉のトレフォイルタグではなく、画像のスポーツパフォーマンスロゴ(3本ライン)というものに変わります。

この年代のものも80年代同様質がかなり良く、僕の古着屋では大変人気商品となっています。

僕が思うこの年代のadidasの凄さは、インナーがかなり凝っていること。

例えば"中綿(なかわた)"や"メッシュ"など、防寒性や通気性などがかなり考えられた機能性でありながら、デザイン性も素晴らしいものばかりになります。

数多くの古着を扱っている僕個人の私見ですが、NIKEよりもこの90年時点では質はadidasの方が勝っていると思います。

ところでそんな90年代adidasをはじめ、とにかくadidasの取り扱いには自信があるのでぜひ当店に見に来てください。

現行タグ

これ以外にもあるのですが、adidasは現行タグでも アディダスオリジナルスとスポーツパフォーマンスとで別れており、トレフォイルロゴはよりアパレルライクに、パフォーマンスロゴはスポーツテイストとなっています。


おわりに: adidasの3本線の由来

冒頭に書いた通り、adidasも靴メーカーとしてその歴史をスタートさせました。

当時の革製のスポーツシューズは履いているうちに伸びてしまうため、3本のバンドで補強したのが始まりだったそうです。

そんな補強バンドの3本ラインこそ、adidasの代表的な象徴とされたのです。

どの企業でもどのブランドでも、ルーツを辿るときちんとしたストーリーが存在します。

adidasの魅力、そして古着の魅力が少しでも伝わったなら幸いです。

 

▼弊店のadidasラインナップはこちらの画像をクリック

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